ラジオ 朝木劇場「猫」後半

ラジオ・ラブィート 「ひる♡らぶ」10月15日放送
ラジオ 朝木劇場「猫」後半

私の名前はミイ。
今日はソラとの最後の日。

私はなぜ、彼と離れることを選択したのだろう。
別れの言葉が止まらなかった。
私と一緒に海外に来て、住んでもいいと言ってくれている。

でも私と一緒に居ると、ソラは多分不幸になる。
だって私には共感力がないから。
相手が苦しんでいても、悲しんでいても、感情をスルーしてしまう。

ソラ「さみしいよ」

って言われても、「ふーん」で流してしまう。
何で「寂しいのか」まで詳しく言ってくれないとわからない。

なのに私は寂しいが止まらない。
彼と離れるのが怖い。
素直になれないまま、態度が強がってしまう。

ミイ「さあ、遊園地行くわよ!起きて。」

ソラ「羊が1無量大数と5匹。んん。。。全然眠れてないよ。」

ミイ「9時に出発なのに、もう8時55分58秒だよ。ほら59秒。」

ソラ「はあ。別れを切り出した方は気楽でいいですね。」

ミイ「男でしょ、最後の日くらいしっかりエスコートしてよね。はい、朝食の水道水 沸かしたから。」

ソラ「最後なんだから、コーヒーくらい入れてよ。」

ミイ「前に作ったら微妙な顔してたじゃない。」

ソラ「あの〜ドリップの粉を直接カップに入れるから、粉まみれになってたじゃん。」

ミイ「ソラは未来の料理のプロ。私は食べるプロなの。」

ソラ「口を開けばこれだ・・・・・・・・一緒に居ればいいのに。」

ミイ「何?聴こえなかった。」

ソラ「ああ、もう行こうよ。」

予定通り、「夢の国」で大きいネズミやアヒルたちと遊んで、近くのショッピングモールで買い物をすませる。
何のハプニングもなく、ただただ自然と笑顔になる私。
ソラは・・・?
私には相手の感情が分からない。
刻一刻と迫る別れの時。
夕方にソラの家に戻れば、あとは私の荷物を持って駅に送ってもらうだけ。

ミイ「もう、1日終わっちゃうね。」

ソラ「そうだね。」

ミイ「寂しいね。」

ソラ「寂しい?。」

ミイ「なんだか、一人になれる自信がないなーって。あはは。」

その私の一言でソラの顔色が変わった。

ソラ「今更なんだよ。」

ミイ「え?」

ソラ「僕の言葉は全部遮って、自分の感情ばかり押し付けて。
   甘えたい時に甘えられないのに、ミイは自分のタイミングで甘えて来て。」

ミイ「ちょっと、周りに迷惑だよ。」

ソラ「迷惑だ?もう、うんざりだ。荷物を取ったらすぐ出てって!」

ミイ「・・・・ソラ?」

ソラ「寂しい、寂しい、寂しい?いなくなれば寂しさなんてなくなる。」

ミイ「落ち着いて。」

ソラ「それで、二度と僕の前に現れないでくれ!」

ミイ「ねえ、聞いてよ!」

ソラ「俺の言葉も聞いてくれ!!!!」

私は圧倒された。初めてソラが感情を出してくれた。
いつも「僕」のソラが「俺」と言った。
言葉が伝わった。悲しいけど嬉しかった。

でも、これが最後のやりとりになってしまうの?

無言で家に戻り、荷物を引き取る。
タクシーを呼んで、さよならも言わずに出て行く私。

ミイ「ああ、もうとっくの昔に私たちは終わってたんだ。」
涙が止まらない。ねえ、さみしいよ。
何も言わずに温めてよ。またひとりぼっちだよ。

♫almost paradise
僕はソラ。
ミイは何も言わずに出て言った。
涙も流さずに。

初めて感情的になった。
でも、もっと早く伝えていればよかったのかなって後悔してる。
猫のような彼女はきっと戻ってこないだろう。

お互い別の場所で成長して、また友達としてきっと。。。。

ピーンポーン♫

ソラ「なんだよ。感傷的になってるの時に、っておい!」

ミイ「戻って来ちゃった。はい空港のおみやげ、手羽先味のチョコ。」

ソラ「いらねえ、ていうか俺の感情は無視か?」

ミイ「私の感情も無視するの?」

ソラ「勝手すぎる。まるで猫だ。」

ミイ「だって、もうソラしかいないの。できる限り大切にするから。」

ソラ「あー、、、、、、わかったよ。じゃあ、ヘルシンキに一緒に連れてってくれ!」

こうして、紆余曲折を繰り返しながら、2人はギリギリの距離感で仲良く暮らしましたとさ。
猫は三年の恩を三日では忘れない。

猫は自分を大切にしながらも、恩人の側にずーっといたいんだ。なんて勝手だ。

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